No.257 スピード or 持久力 タイプ診断

エキスパート

選手にはそれぞれ「得意な練習」と「苦手な練習」があると思います。

また、「スピードを磨いた方が良い選手」や「持久力を磨いた方が良い選手」もいます。

ここではスピードと持久力を育成する際の考え方やポイントを紹介します。

スピード&持久力対応表

以下の手順で自分の現状や特性を把握し、練習の方向性を探りましょう。

  1. 表から各種目の列ごとに自己ベストに近い値を探す。
  2. 上に行くほどその種目における能力が優れている。
  3. バランスが悪い場合は、苦手な種目の強化に取り組む。

対応表①(中距離用)

まずは、この表でスピードと持久力のバランスを確認しましょう。

400m 800m 1500m
46 1:41 3:28
48 1:46 3:37
50 1:50 3:46
52 1:54 3:55
54 1:59 4:04
56 2:03 4:13
58 2:08 4:22
60 2:12 4:31
62 2:16 4:40
64 2:21 4:49
66 2:25 4:58
68 2:30 5:07
70 2:34 5:16
72 2:38 5:25
74 2:43 5:34
76 2:47 5:43
78 2:52 5:52
80 2:56 6:00
82 3:00 6:10
84 3:05 6:19
86 3:10 6:28
88 3:14 6:37
90 3:18 6:46

対応表②(長距離用)

持久力の土台づくりの際は、こちらを参考にして下さい。

1500m 3000m 5000m 10000m
3:45 8:00 14:00 29:00
3:53 8:20 14:30 30:10
4:02 8:40 15:00 31:10
4:12 9:00 15:30 32:10
4:18 9:15 16:00 33:10
4:26 9:30 16:30 34:15
4:34 9:45 17:00 35:15
4:43 10:00 17:30 36:15
4:51 10:25 18:00 37:15
5:00 10:40 18:30 38:20
5:10 11:00 19:00 39:20
5:17 11:20 19:30 40:20
5:25 11:35 20:00 41:20
5:40 12:10 21:00 43:30
6:00 12:50 22:00 45:40
6:15 13:20 23:00 47:50

タイプ別アドバイス

右下がり(スピード)タイプ

経験が浅いランナーにありがちなタイプです。持久力の向上に力を注いでみましょう。

右上がり(持久力)タイプ

ベテランやマラソンランナーにあるタイプです。スピード強化も必要になります。

水平(バランス)タイプ

バランスがよいタイプです。スピード強化から持久力への移行が一般的です。

ギザギザ(アンバランス)タイプ

特定の種目のみ突出して良いまたは悪いタイプです。満遍なく苦手種目にも取り組みましょう。

大抵の場合、特定の種目に力を注ぎ、他の種目が疎かになっていることが原因です。

注意事項

現状把握と練習継続サイクル

まずは自分の現状を把握することで、今後の練習の方向性を探っていきましょう。

練習の成果を実感するためには、最低でも3ヶ月以上は練習を継続しましょう。

その後、自己記録を計測し、再度自分のタイプを診断するというサイクルが重要です。

自分の特性を理解する

苦手分野に取り組んでも記録が向上しない場合は、得意分野に取り組んでみましょう。

選手にはそれぞれ持って生まれた特性もあるため、それを探っていくことも重要です。

あくまで上記のアドバイスは一般論ですので、参考にする程度で良いです。

参考文献


ダニエルズのランニング・フォーミュラ第3版 [ ジャック・T.ダニエルズ ]

実践例

① 長距離が苦手な中距離選手

冬季練習として3〜4ヶ月程度、苦手な長距離種目に取り組んだ。

結果としては、長距離種目の記録はあまり向上しなかった。 → 失敗??

春先からスピード練習を再開したところ中距離種目の記録が大幅に向上した。 → 成功!

また、中距離種目の向上の後に、短距離種目や長距離種目も記録が向上した。

このような例が多く、持久系の練習を本人が失敗と捉えていることも多々あります。

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