No.210 スピードトレーニングに挑戦しよう!

ランニング

スピードトレーニングとは、特に「スピード持久力強化」を目的としたトレーニングのことです。

300~800mを専門とする選手にとっては、練習の大部分がこのスピードトレーニングになります。

スピードトレーニングの具体的なメニューや目的を理解し、積極的に導入していきましょう。

スピードトレーニングの主な効果

スピードトレーニングを取り入れる目的は、主に以下の3点です。

① 解糖系能力の向上

スピードトレーニングでは解糖系能力の向上を最も重視し、メニューを構成していきます。

「解糖系」のエネルギー供給システムの強化には、40秒前後の運動が最も効果的です。

200~400m程度の距離またはその分割走をやや短めのレストでおこなうと良いでしょう。

② レーススピードの維持

「スピード持久力」つまり「高いスピードを持続できる力」の強化が最重要課題です。

そのためには「その距離を走りきれる範囲の最大スピード」で走ることが重要です。

つまり、レーススピードを維持し、それを身体で覚えるような練習をおこなうと良いでしょう。

③ 疾走技術の習得

上記のような能力の強化以外にも、疾走技術の習得にもある程度時間を割く必要があります。

具体的には、「スタート技術」「レース展開」「終盤での切り替えなどがあります。

これらは練習の中でいろいろ試し、「自分にあった型」を模索していくと良いでしょう。

スピードトレーニングの基本メニュー

① 300m×3×3(400~600mRP/r=5',R=20’)

解糖系を主に鍛える場合は、40秒以上かかる距離で、疾走時間の5~7倍程度がレストの目安です。

② 600m×3~5(800~1000mRP/R=6~7’)

解糖系の強化とレースペースでの技術練習を目的におこない、疾走時間の3~5倍程度がレストの目安です。

③ 80m×6×2(100m~200mRP/r=1.5',R=15’)

短い距離の分割走で実施する場合はレストを短めにし、回復しきる前に解糖系に負荷をかけます。

④ (200m+250m)×3(200m~400mRP/r=2',R=20’)

1本目はレースの前半を、2本目は後半を意識しておこない、レースを再現する練習として効果的です。

スピードトレーニングを導入する基準

「スピード持久力」という言葉は広く一般的に用いられますが,その定義は曖昧です。

そこで,400mにおけるスピード持久力の簡易的な指標として,以下の指数があります。

スピード持久力指数 = 400m走記録 ― 200m走記録 × 2

この指数と400mのタイムとの関係性は以下の表を目安にしてください。

男子 女子
タイム 指数 タイム 指数
44秒 3~4 51秒 4~5
46秒 3.5~4.5 53秒 4.5~5.5
49秒 4~5 56秒 5.5~6.5

 

スピードトレーニング導入の具体例

① スピード持久力指数が小さい場合

400m走記録に対してスピード持久力レベルが充分に高い。

→ パフォーマンスの向上のためには「スプリントトレーニング」が課である。

② スピード持久力指数が大きい場合

400m走記録に対してスピード持久力レベルが不十分である。

→ パフォーマンスの向上のためには「スピードトレーニング」が課題である.

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