No.208 ランナーのための筋力トレーニング

ランニング

ここでは筋力トレーニングのうち、ランナーにとって優先度の高いものを中心に紹介しています。

筋力トレーニングでは、通常のランニングでは鍛えられない部分も意識的に鍛えることが可能です。

筋力トレーニングを習慣化することで、より良いランニングフォームを手に入れましょう。

筋力トレーニングの主な効果

① ランニングエコノミーの向上

筋力が上がれば、より地面に力を加えることができ、推進力を得ることが可能になります。

つまり、筋力を高めることでフォームが変わり、ランニングエコノミーが向上します。

フォームを意識的に変え、違う筋肉を使うことも可能ですが、その方が怪我のリスクは増えやすいです。

② 怪我の防止

筋力強化によって、今までと同じ強度の練習も楽に走れるようになり、怪我の防止につながります。

特に、大きな筋肉を優先的に使うトレーニングによって末端に近い箇所の故障が減ります。

また、全身の筋力をバランスよく鍛えることは、幅広くパフォーマンスの向上につながります。

筋力トレーニングを導入する順序

まずは、スクワット等の基本的な種目を自重でおこない、股関節中心に筋力強化を図ります。

慣れてきたらバリエーションを増やしたり、バーベルを用いて負荷を高めたりしても良いでしょう。

最終的には瞬発的に高い力を発揮する「プライオメトリックトレーニング」を導入しましょう。

プライオメトリックトレーニング

プライオメトリックトレーニングとは、伸張反射を利用した瞬発的な筋力トレーニングです。

ランナーにとっては、筋肉や腱を強化することができ、接地時間の短縮などにも繋がります。

ただし、筋力トレーニングの中でも特に運動強度が高いため、怪我のリスクが高くなります。

低強度のトレーニングから段階的に実施し、高い負荷に耐えられる筋力やフォームをつくりましょう。

接地を短くし、短時間で大きな力を加えることを意識したメニューを実施しましょう。

筋力トレーニングの基本メニュー

① フロントランジ

  • 直立した状態から大きく一歩前に踏み出し、前側の膝を90℃に保って着地する。
  • 後ろ側の膝は地面に着くぎりぎりまで下げ、腰は前の膝と同じ高さでキープする。
  • 前側の足で地面を蹴って直立の状態まで戻り、逆足も同様におこなうまでを1回とする。
20回を1セットとし、それを2~3セットおこなう。(股関節周りの強化と骨盤の安定

② バックランジ

  • 直立した状態から大きく一歩後ろに踏み出し、フォワードランジと同様の姿勢を取る。
  • 上体を若干ひねるように後ろ側の足と逆側の手を近づけ、同じ側の手は前方に突き出す。
  • 上体のひねりを元に戻し、後方の足を前方に戻して直立の状態になるまでを1回とする。
20回を1セットとし、それを2~3セットおこなう。(股関節周りの可動域や回旋運動

③ 足上げ腹筋

  • 仰向けに寝た上体から、足をまっすぐ伸ばしたまま地面に対して垂直に上げる。
  • 足をまっすぐ伸ばしたまま地面に着くぎりぎりまで下げ、元に戻すまでを1回とする。
  • 足を降ろしたタイミングで息を吐くことと足の膝が曲がらないことに注意する。
20回を1セットとし、それを2~3セットおこなう。(大腰筋を中心とする腹筋や内転筋

④ ブルガリアンスクワット

  • 膝の高さ程度の台に背を向けて立ち、後方の足を伸ばしてつま先を乗せ、ランジの姿勢をとる。
  • 腰を前の膝と同じ高さまで降ろし、股関節伸展を利用して前側の足を伸ばす。
  • 前側の膝がつま先より前に出ないこと、上体前後しないことに注意する。
左右20回ずつを1セットとし、それを2~3セットおこなう。(ハムストリングスの強化)

⑤ スプリット

  • その場でジャンプし、片足を半歩前に、もう片方の足を半歩後ろに出して着地する。
  • その姿勢から再度ジャンプし、空中で前後の足を入れ替えて着地する。
  • この動作を連続しておこない、慣れてきたら徐々に歩幅を広げるようにする。
体軸をぶらさず、ストライドを広げる。(上体や腕の反動を極力使わない

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