No.030 ウォーキングを取り入れよう!(メリット、競歩のルール)

バリエーション

あなたは、日常生活の中にウォーキングを取り入れていますか?

ウォーキングは、最も始めやすい運動のひとつでもあります。

・ウォーキングでは、どのような効果が得られますか?
・ウォーキングとランニングの違いは何ですか?
・ウォーキングで意識すると良いポイントはありますか?

この記事では、こんな質問にお答えしていきます。

 

この記事を読んでいけば、ウォーキングの効果や競歩のルール、具体的なトレーニング方法などについて知ることができます。

トレーニングのひとつとしてウォーキングを取り入れることで、ランニングだけでは得られないメリットにも気づいてもらえるはずです。

以下の内容を参考にしながら、日常生活にウォーキングを取り入れていきましょう。

ウォーキングのメリット

まずは、ウォーキングのメリットとウォーキングをオススメするケースについて確認していきましょう。

ウォーキングのメリット

ウォーキングとは「歩くこと全般」を指す言葉として使用されています。

ウォーキングは最も身近な移動手段のひとつですし、ダイエットや健康促進にも向いている運動です。

メリット
  1. 誰もがすぐに始めやすい有酸素運動である。
  2. ランニングに比べ、身体に加わる負荷が小さい。
  3. 運動を長時間継続しやすい。
  4. 身体の動きや感覚を意識しやすい。

このようにウォーキングのメリットはたくさんありますが、特に「A、B、C」がダイエットや健康促進にも向いている理由です。

最近ではダイエットのためにランニングをする人が増えていますが、運動経験があまりない人はウォーキングから始めてみることをオススメします。

ダイエットについて詳しく知りたい場合は、こちら↗️

また、「D」の理由からウォーキングを日々のトレーニングの中に取り入れているトップランナーも多くいます。

ランニングは単純な動作の繰り返しだからこそ、全身を効率よく使う基本の動きがとても重要になるわけです。

この記事の後半で紹介する「競歩のトレーニング」をランニングへの基礎づくりとして取り入れてみてください。

ウォーキングをオススメするケース

先ほど紹介したメリットを踏まえると、ウォーキングはいろんな状況の人が活用しやすいトレーニングとも言えます。

以下の条件に当てはまる人には、特にウォーキングをオススメしています。

具体例
  • ほとんど運動しない人、運動経験があまりない人
  • ダイエットしたい人、健康になりたい人
  • 故障中のランナー、記録が伸び悩んでいるランナー

ほとんど運動しない人や運動経験があまりない人は、基礎体力づくりや少しでも運動量を増やすことを目的にウォーキングから始めてみると良いでしょう。

ダイエットしたい人や健康になりたい人にとっても、ウォーキングが最も効果的な運動と言えます。

故障中のランナーにおいては練習内容が限られるため、ウォーキングはちょうどいいトレーニングになります。

ランニングへの基礎づくりとしてウォーキングに取り組むことは、故障の原因を改善することにもつながるでしょう。

また、記録が伸び悩んでいるランナーも同様に、身体の使い方をウォーキングで見直し、基本に立ち帰ることが記録向上のきっかけになるはずです。

ウォーキングとランニングの違い

次に、ウォーキングとランニングを比較することで、それぞれの良さや違いについて確認していきましょう。

ランニングとの比較

ランニングは「走ること全般」を指す言葉として使用されています。

ランニングとウォーキングの違いは、感覚的には非常にわかりやすく、ランニングの方が身体への負荷は高くなるでしょう。

具体例
  • ウォーキングに限りなく近いランニング
  • ランニングに限りなく近いウォーキング

しかし、どこからがウォーキングで、どこからがランニングかという厳密な話になると、違いを明確に答えられる人は少ないと思います。

また、「ゆっくり走る」ことよりも「速く歩く」ことの方が、消費カロリーが多いというようなデータもあります。

ランニングとウォーキングの違いを知り、それぞれの特徴を活かすことができると運動効果も上げることが可能です。

競技としてのウォーキング

結局のところ、ウォーキングとランニングの違いを知るためには、「競技としてのウォーキング」の知識が必要になります。

「競技としてのウォーキング」とは、陸上競技における「競歩」のことであり、単なる「早歩き」とは区別されるものです。

もちろん「競歩のルール内でなければ、ウォーキングではない」ということはありませんが、競歩のルールを知ることによって、ウォーキングの魅力を深く味わって欲しいと思います。

ここからは少し専門的な内容になるので、競歩のルールは興味ないけどウォーキングのコツを知りたいという方は【競歩のトレーニング】まで読み飛ばしてOKです!

競歩の基本的なルール

それでは、競歩における基本的なルールを確認していきましょう。

まず、競歩の歩き方(歩型)に関して、「ロス・オブ・コンタクト」と「ベント・ニー」という2つの反則があります。

① ロス・オブ・コンタクト

ロス・オブ・コンタクトとは、「両足が地面から離れる反則」のことを言います。

つまり、両足が浮いている状態は走っている扱いとなり、反則になるわけです。

「左右いずれかの足が、地面から離れないように歩かなければいけない」

ゆっくり歩く場合は自然とこのポイントが守られていますが、速く歩こうとすると違反してしまう可能性が高くなります。

② ベント・ニー

ベント・ニーとは、歩いている際に「膝が曲がる反則」のことを言います。

つまり、膝が曲がっている状態で歩くことは走っているとみなされ、反則になるわけです。

「前に振り出した足は、接地する瞬間から、身体の真下で垂直の位置になるまでの間、まっすぐ伸びていなければいけない」

このポイントをしっかり守りながら、速く歩くことを競うのが競歩になります。

普通のウォーキングでは、膝を意識的に伸ばして接地するという不自然な動きはしないため、競歩競技ならではのルールと言えるでしょう。

失格になる基準は?

先ほど紹介した「ロス・オブ・コンタクト」と「ベント・ニー」という反則に該当した場合は、イエローパドルやレッドカードが与えられます。

レース中は競歩審判員によって「歩型(歩き方)」を確認され、この2つの反則が無いかを判定されます。

では、歩型違反が重なった場合の「失格になる基準」についても確認していきましょう。

① イエローパドル

イエローパドルとは「注意」のことであり、歩型違反と判定された選手に与えられます。

「注意」を受けても歩型違反が改善されない場合は、レッドカードが与えられます。

具体例
  • 「ロス・オブ・コンタクト」と「ベント・ニー」でそれぞれ1回のイエローパドルを与える。
  • 「ロス・オブ・コンタクト」でイエローパドルを与え、後にレッドカードを与える。

1つ目の例のように、それぞれの反則に関してイエローパドルが1回ずつ与えられてもレッドカードは与えられません。

2つ目の例のように、どちらかの反則に関してイエローパドルが与えられた後に、改善されなければレッドカードが与えられるのが一般的です。

② レッドカード

レッドカードとは「警告」のことであり、一度の注意で歩型違反が改善されない選手に与えられます。

また、酷い歩型違反がある場合には、イエローパドルを経ずにレッドカードが与えられることもあります。

具体例
  • 3人以上の競歩審判員からレッドカードが与えられる。
  • 競歩審判員の主任がレッドカードを与える。

1つ目の例のように、レッドカードが3回与えられると、その反則の理由に関係なく失格となります。

ただし、レッドカードが3回与えられた瞬間に失格になるのではなく、それを集約した主任がレッドカードを掲示した瞬間に失格となります。

つまり、レース中に与えられたレッドカードによって、ゴール後に失格になるケースもあるということです。

また、2つ目の例のように、主任によってレッドカードが与えられた場合は、それ以前に出されたレッドカードの枚数に関係なく失格になります。

特に、ゴール直前において混戦の場合は、主任によって一発レッドカードを出される例が多いため、注意が必要です。

競歩の詳しいルール

ここまでに「競歩の基本的なルール」や「失格になる基準」について紹介してきました。

競歩競技の基本的なルールは、この2つの要素で成り立っており、そのルールの中でより速く歩くというのが競歩の醍醐味になります

反則と判定されやすい特徴

さらに詳しいルールを知りたい人のために、反則と判定されやすい特徴についてまとめておきました。

ロス・オブ・コンタクト

具体例
  • 頭や身体の上下動が大きい。
  • 手を胸より高い位置まで振る。
  • 膝や足首を高く上げる。
  • 靴裏が上を向くほど地面を蹴る。
  • 後ろ足を曲げるのが早い。

ベント・ニー

具体例
  • 踵から接地していない。
  • 腰が沈む動きがある。

競歩の詳しいルールについて

これらのルールを知ることによって、今後「競歩」という競技に興味をもって観戦してもらえたら幸いです。

・競歩のルールをより正確に詳しく知りたい。
・競歩の選手や役員に挑戦してみたい。
・反則と判定されやすい歩き方の特徴ついて知りたい。

このようにさらに詳しく知りたいと思った方は、以下のリンクを参照してください。

参考文献:JAAF競歩競技マニュアル

 

また、以下では「競歩のトレーニング」についても紹介しています。

競歩のトレーニングを意識することで、日常のウォーキングの効果をより充実させることができますので、是非参考にして取り入れてみてください。

競歩のトレーニング

ここからは「競歩のトレーニング」について紹介していきます。

競歩のトレーニングを取り入れ、無駄のない動きや身体で歩く方法を体得していきましょう。

① 姿勢づくりと重心移動

まずは、無理のないスムーズな歩き方を身につけるために「姿勢づくり」と「重心移動」を意識していきましょう。

具体例
  1. 直立に立ち、できるだけ背筋を伸ばす。
  2. 背筋を伸ばしたまま、踵からつま先へ重心移動をする。
  3. 股関節を意識し、一直線上を出来るだけ大股で歩く。

このように「正しい姿勢」と「つま先への重心移動」を意識することで、無駄な力を使わずに前に進む技術を身につけていきましょう

また、姿勢や感覚というのは日々微妙なズレが生じていくものなので、毎日確認することが重要になります。

特に、ウォーミングアップで身体の使い方を確認してからトレーニングに移っていくとより効果的です。

② トレーニング例

正しい姿勢づくりの後は、自己の課題に応じたトレーニングを取り入れることで「速く」「効率的な」動きを目指していきましょう。

具体例
  • 踵接地ができない → 縄跳び
  • リズムが悪い → 踵歩き
  • 股関節が使えない → バランスボード

このほかにも「地面を押すタイミング」や「腕振りのタイミング」は特に重要な要素になってきます。

具体的には「足が垂直になるタイミングで地面を押す」と同時に「手と足が入れ替わる」を意識してみましょう。 

これらのトレーニング動画は【月陸公式Youtube】で見ること可能ですので、以下のリンクを参考にしてみてください。

YouTubeで見たい場合は、こちら → 【高校陸上 基本&実践 トレーニング】競歩編

③ トレーニングメニュー例

最後に、1週間の流れを意識した競歩のトレーニングメニュー例を紹介します。

具体例

曜日 メニュー
10kmW+300×3
60W+100×3
4kmW+400×10
free
10kmW+300×3
4kmW+1000×3
off

トレーニングメニューを計画する際は、基本的に中長距離のトレーニングと同じように考えれば良いです。

時間や距離を目安にして長く歩くことに加え、レースペースに近い動きを数本繰り返すという流れを意識すると良いでしょう。

トレーニング例の参考文献について

ここで紹介しているトレーニング例は、「高校陸上 基本&実践 トレーニング」を参考にしています。

初心者・中級者および指導者向けの上達ガイドブックで、指導の実践現場でそのまま役に立つ教材です。

また、本書内で紹介されているトレーニングの一部は、動画で見られるため非常に参考になります。

書   名   高校陸上 基本&実践 トレーニング
編集・発行   (公財)全国高体連陸上競技専門部
製   作   (株)陸上競技社
体   裁   B5判カバー装 352ページ
価  格   4990円(送料・税込)
初   版   2020年7月31日

ウォーキングQ&A

Q:オススメの動きづくりやドリルはありますか?

A:自分の課題に応じたドリルがオススメです。

まずは基本的なドリルを繰り返し、それぞれの要素を順に習得していくと良いでしょう。

そのうえで、ドリルで意識したポイントを確認しながら長く歩くトレーニングを取り入れていみてください。

また、取り入れるべきドリルはそれぞれの課題に応じて変わるため、自分の課題を明確にすることが重要です。

しかし、自分の課題を明確にすることは案外難しく、さらに細かい技術について言及するとキリがありません。

そのため、まずはいろんなドリルを真似してみる中で、重要な要素を探っていく方が効率的とも言えます。

競歩の基本的なドリルがまとめられた動画を紹介させていただきますので、いろんな動きを試してみて自分に合ったドリルを探してみてください。

YouTubeで見たい場合は、こちら → 競歩のためのドリルトレーニング

 

 

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