あなたは「レペティション」というトレーニングを知っていま
レペティションは、走力の向上やレースのリハーサルとして最適なランニング方法になります。
・レペティションとは、どんな練習ですか?
・レペティションで、どんな力がつきますか?
・レペティションで、意識すると良いことはありますか
この記事では、こんな質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいけば、レペティションの効果や設定、レペティションをする際に意識すべきことを知ることができます。
普段のトレーニングの中に「レペティション」を取り入れ、より高いレベルのランニングを楽しみましょう。
レペティションとは?
レペティションとは、「全力またはそれに近いペースで走るトレーニング」と表現されることが一般的です。
しかし、本記事では「レースペースで走るトレーニング」という意味で捉えることをオススメします。
レペティションと同じようなトレーニングとして「タイムトライアル」がありますが、それぞれの違いや特徴についても確認していきますね!
① レペティション
先ほども述べたように、レペティションは「レースペースをできるだけ長く維持して走るトレーニング」と捉えることをオススメします。
その点では「レペティション」と「タイムトライアル」は似たような意味の言葉であり、どちらも特異性の高いトレーニングであることに変わりはありません。
選択肢 | 特徴 | 負荷 |
---|---|---|
レペティション | レースペースの維持 | かなり高い |
タイムトライアル | 目標タイムの達成 | 極めて高い |
まず、レペティションは「レースペースの維持」が目的であるため、「ペースと距離」を基準に決めていくのが良いでしょう。
特に「目標に向かって、維持できる距離を徐々に伸ばしていく」といった視点で取り入れると、非常にわかりやすいトレーニングになります。
- 5kmを15分で走る → 1kmを3分ペースで5回走る
- 1kmを3分のペースで3km走る → 3kmを9分で走る
- 1kmを3分のペースで3km走った後、同じペースで2kmを走る
- 1kmを3分のペースで4km走る → 4kmを12分で走る
結果的に、タイムトライアルと同じようなトレーニングになるとしても、多少余裕をもってレースペースを覚えていくことが優先されます。
また、その後に完全休養の時間を確保し、複数回繰
具体例のように段階的にメニューを達成していけば、レースペースを維持できる距離を徐々に伸ばし、目標を達成することができるでしょう。
② タイムトライアル
一方で、タイムトライアルは「目標タイムの達成」や「現状で出せる最高タイムを出すこと」が目的であるため、「距離とタイム」を基準に決めていくことになります。
- 5kmを16分で走れた → 5kmを15分で走る
上記のように「現状で出せる最高タイムを把握できる」ことがタイムトライアルの一番のメリットです。
また、その記録をもとに今後の目標を現実的に立てることもできます。
- 3kmを9分で走る → 最初の1kmは2分55秒で走る
- 3kmと2kmのトライアル → トライアルとは言わない?
また、タイムトライアルの際は、その目標タイムを達成するために前半から速めのペースで走るなど、実際のレースに限りなく近いトレーニングになります。
また、複数回繰
レペティションの主な効果は?
先ほど紹介したような、レペティション(タイムトライアルを含む)によって得られる主な効果を紹介していきます。
① レースペースの体得
一番の目的はレースペースの体得であり、そのスピードを出す感覚を身体で覚えていくことはレースを進めていくうえで非常に重要な能力になります。
中長距離ランナーにとっては「ペースをコントロールする力」、短距離ランナーにとっては「トップスピードに近いスピードを維持する」ことが主な目的になるでしょう。
② スピード持久力の向上
スピード持久力は、特に中長距離ランナーにとっては、最も重要な能力と言えます。
速いスピードでのランニングほど乳酸は多く発生し、一定以上溜まると筋活動が
③ 最大スピードの向上
短距離はもちろん中長距離やマラソンにおいても、スピードを鍛え
特に、短い距離でのレペティションをすることは、最大スピードの向上にもつながるため、それより遅いペースでは動きにも余裕度が増します。
レペティションの目安は?
レペティション(タイムトライアルを含む)を実施する際に注意すべき点として、疾走距離やレストがあります。
重要度の高いものから順にまとめましたので、以下のような視点をもって取り組んでみましょう。
① 疾走距離の合計がレースの距離程度
一度の練習における 疾走距離の合計は、レースの距離程度になるようにすると良いでしょう。
具体例:1500m→300×5本、800m→200m×4
ただし、短い距離のレペティションをする際は、週間走行距離の5%程度がちょうど良いとも言われています。
② レストは15分~20分程度
1本1本の質をレースペースより落とさないように、完全に回復させることが大切になります。
レースペースよりも遅いペースになりそうな場合は、レストを長めに取りましょう。
レペティションの基本メニューは?
それでは、具体的なメニューをオススメ順に紹介していきますね!
これらの設定は、ある程度の競技力が高い人向けになっていますので、自分の目標に合わせてアレンジしてください。
① 2000+1000
こちらは3000mの記録向上に向けたメニューになります。
3000mの強化はVO2Maxの強化にもつながりますのでオススメです。
また「1000×3」のようなメニューも似たような効果を狙えるトレーニングになります。
5000mの強化をしたい場合は「3000+2000」などから始め、それ以上の距離においても同様に考えれば良いでしょう。
② 600×2~3
こちらは800mのレースに近い感覚を養うメニューになります。
私の経験上では、練習で600mがレースペースで走れれば、本番は同じペースで800mを走れます。
ただし、スピードタイプの人は「短い距離で1本だけなら走れる」ということもあるので、2本以上のレペティションがオススメです。
また、このような設定は、予選・準決勝・決勝を想定したトレーニングとしても適しています。
400mの強化をしたい場合は「300×2~3」などから始め、これより短い距離でも同様に考えれば良いでしょう。
③ 100×3~5
こちらは最大スピードの向上を目的にしたメニューであり、スプリントトレーニングにあたります。
このような練習は長距離ランナーにとっても重要であり、ランニングエコノミーの向上につながります。
がむしゃらに走らず、しっかり力を伝えながら加速していく技術を磨く意識を持つと良いでしょう。
スプリントトレーニングについて詳しく知りたい場合は、こちら↗️
レペティションで意識することは?
それでは、レペティションを実施する際に意識すると良い点を紹介していきますね!
重要度の高いものから順にまとめましたので、以下のような視点をもって取り組んでみましょう。
① フォームを崩さない
レペティションでは無理にスピードを上げようとしてフォームを崩しがちです。
一般的には「全力またはそれに近いペースで走るトレーニング」と表現されることも多いですが、「全力を出し切ること」を目的にすると「リラックスして走る」ことが疎かになってしまいがちです。
無理に追い込むことよりも「楽にスピードを出せる身体の使い方」や「いかにリラックスしてレースペースを長く維持できるか」を重視して取り組むと良いでしょう。
② 故障のリスクを減らす
レペティションは特異性の高い非常に優れたトレーニングである反面、トレーニング強度が高く、故障につながるリスクも高くなります。
ウォーミングアップやクーリングダウンだけでなく、トレーニング後のストレッチやケアも念入りにおこないましょう。
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