5000mのトレーニング【コツ、メニュー】

エキスパート

あなたは、「5000m」という種目に挑戦したことがありますか?

5000mはトラック競技の長距離種目として有名で、ロードレースなどでも実施されることがあります。

  • 5000mに必要なトレーニングは何ですか?
  • 速く走るためのコツはありますか?
  • 具体的なトレーニングメニューを教えてください

この記事では、こんな質問にお答えしていきます。

この記事を読んでいけば、皆さんにも5000mという種目の面白さを実感してもらえるはずです。

さあ、トレーニング方法を学び、ランニングを楽しんでいきましょう!

5000mのトレーニング

長距離種目(5km~マラソン)では、有酸素能力を高めることが最も重要であり、長い距離を走るトレーニングが必要です。

ただし、5000mのような比較的短めの種目では、中距離のようなスピードも求められます。

まずは、いろんな視点から5000mという競技の特性を見ていきましょう!

エネルギー寄与率

5000mにおけるエネルギー寄与率は、有酸素と無酸素が9:1の割合であると言われています。

つまり、レース中のほとんどが有酸素運動をしており、持久力が最も重要だということです。

また、無酸素運動の要素もレースの序盤やラストスパート、スピード変化が多い場面では重要性が高くなります。

これらのことを踏まえたうえで、重要となるトレーニングをまとめておきましょう!

重要なトレーニング

  1. 持久系トレーニング
  2. スピードトレーニング
  3. 筋力トレーニング(サーキットや補強)

あとは、有酸素と無酸素が9:1の割合になるように、これらのトレーニングをバランス良く取り入れていきましょう!

レースから学ぶトレーニング方法

先ほど5000nのエネルギー寄与率は、有酸素と無酸素が9:1の割合という話でしたね。

これは捉え方によっては、持久力でほぼ勝負が決まるという考え方もできます。

もちろん実際はそんな単純な話ではありませんが、5000mのレースでよくある例を挙げてみましょう。

  • 中盤くらいから苦しくなって、ペースが遅くなっていく。
  • 最後まで集団についていったが、ラストスパートで切り替えられない。
  • 前半からペースが速く感じ、集団から離れてしまう。

このような例に当てはまった人は、自分に必要なトレーニングが何かを考えてみてください。

持久力が足りないのか、スピードが足りないのか、きちんと分析してトレーニングに取り組みましょう。

これらの課題を克服するためには、以下の順序でトレーニングに励むのがオススメです!

オススメのトレーニング順序

  1. 一定のペースで余裕をもって走れる持久力をつける
  2. 速いペースでも余裕を持てるスピードをつける
  3. 速いスピードを維持できる時間を伸ばす


試合に必要な能力を身につけるためには、段階的にトレーニングを計画していく必要があります。

まずは持久力を高め、スピードに身体を慣らしながら、それを維持する力をつけましょう!

5000mに限らないことですが、勝つために重要なのは、最後までいかに余力を残せるか。

スピードを維持したり、最後に切り替えたりすることができるのも余力があるからです。

タイムを狙う場合も、その余裕をもてるスピードを高めることを大事にしてください。

トレーニングメニュー例

これから紹介する5000mのトレーニングメニューは、5~10kmの選手や持久力を育成したい長距離選手を対象としています。

ただし、既にトレーニングを継続している人(週間走行距離は50km程度)向けのメニューですので、注意してください。

以下で紹介するメニューは自分の状況に合わせてトレーニング量を変化させたり、日程をスライドさせたりしても問題ありません。

運動経験がない方は【No.251 初級メニュー】【No.252 中級メニュー】から始めてみることをオススメします。

① 導入段階

導入段階では、長距離に必要な基礎体力をつけることを目的にしています。

まずは、以下のメニューを基本として考えてください。(※週間走行距離は50km程度の場合)

メニュー例

曜日(時間)メニュー備考強度
月(2h)40jog+WS×10スピード☆☆☆
火(1h)jog+補強筋力トレ
水(2h)10kmp+WS×5ペース走(Eペース)☆☆
木(1h)jog+補強筋力トレ
金(2h)40jog+WS×10スピード☆☆☆
土(3h)80jog+WS×5ロングラン☆☆
日(0h)off休養日

メニューのポイント

jogまたはペース走(Eペース)で有酸素能力のベースをつくる。
 → ペース走は週1回程度で十分です。その他はjogで動きの改善を優先しましょう!
WSでスピードのベースをつくる
 → できるだけ5本以上おこないます。スピードを上げることより、動きの改善を優先しましょう!
週に3回程度、筋力トレーニング(補強運動)をおこなう
 → 腕立て、腹筋、背筋で十分ですが、いろんな動きのトレーニングに幅広く挑戦しましょう!

有酸素能力を重視する日と、スピードを重視する日を意識して分けると、メリハリがついて良いでしょう。

② 基礎形成期

基礎形成期では、長距離に必要な持久力やスピードの質を上げていくことが目的です。

次は、以下のメニューに取り組みましょう。(※週間走行距離は50km程度の場合)

メニュー例

曜日(時間)メニュー備考強度
月(2h)5kmp+200×10スピード(T+Rペース)☆☆☆
火(1h)jog+補強筋力トレ
水(2h)10kmp+WS×5ペース走(E〜Mペース)☆☆
木(1h)jog+補強筋力トレ
金(2h)400×10スピード(Rペース)☆☆☆
土(3h)80jog+WS×5ロングラン☆☆
日(0h)off休養日

メニューのポイント

週2回インターバル(Rペース&T+Rペース)でスピードの質を上げる。
 → スピードを重視する日を、RペースとT+Rペースのインターバルに置き換えましょう!
jogまたはペース走(E~Mペース)で有酸素能力質を上げる。
 → ペース走は週1回おこないます。その他はjogで動きの改善を優先しましょう!
週に何度か筋力トレーニング(補強運動)を継続する
 → できる範囲でjogと補強の量をキープする意識をもちましょう!

インターバル(Rペース)の距離は200~600mで、合計3200~4000m程度になるような本数にしましょう。

ペース走(Tペース)を5km維持するのが難しい場合は、1600m×3のように分割するのも効果的です。

③ 試合移行期

試合移行期では、レースのスピードや距離に慣れ、スピードを維持する力を磨いていくことが目的です。

試合の2ヶ月前程度から、以下のメニューに取り組みましょう。(週間走行距離は50km程度の場合)

メニュー例

曜日(時間)メニュー備考強度
月(2h)1600×3+200×10スピード(T+Rペース)☆☆☆
火(1h)jog+補強筋力トレ
水(2h)10kmp+WS×5ペース走(E〜Mペース)☆☆
木(1h)jog+補強筋力トレ
金(2h)1000×5インターバル(Iペース)☆☆☆
土(3h)80jog+WS×5ロングラン☆☆
日(0h)off休養日

メニューのポイント

週1回インターバル(Iペース)でスピードを維持する力を磨く。
 → スピード強化の日のどちらかをインターバル(Iペース)に置き換えましょう!
週1回インターバル(T+Rペース)で持久力とスピードの質を維持する。
 → T+Rペースのインターバルの日は、これまで通り継続しましょう!
jogまたはペース走(E~Mペース)で有酸素能力質を維持する。
 → 週1回のペース走も、これまで通り継続しましょう!

インターバル(Iペース)の距離は800~1200mで、合計3200~4800m程度になるようにします。

試合移行期は全てのトレーニング期間で最も練習負荷が高いため、身体のケアを念入りにおこないましょう

④ 試合期

試合期では、スピードの質を維持しながら、疲労を抜いていくことが目的です。

試合直前には、以下のメニューに取り組みましょう。(週間走行距離は50km程度の場合)

メニュー例

曜日(時間)メニュー備考強度
月(2h)1600×3+200×10スピード(T+Rペース)☆☆☆
火(1h)jog+補強筋力トレ
水(2h)10kmp+WS×5ペース走(E〜Mペース)☆☆
木(1h)jog+補強筋力トレ
金(2h)1000×5インターバル(Iペース)☆☆☆
土(3h)80jog+WS×5ロングラン☆☆
日(0h)off休養日

メニューのポイント

週1回インターバル(T+Rペース)で持久力とスピードの質を維持する。
 → T+Rペースのインターバルの日は、これまで通り継続しましょう!
週1回インターバル(Iペース)でスピードを維持する力を磨く。
 → 週末にレースがない場合は、レースの代わりインターバル(Iペース)をおこないましょう!
jogまたはペース走(E~Mペース)で有酸素能力質を維持する。
 → 週1回のロングランは、レースの翌日などに実施すると良いでしょう!

インターバル(Tペース)の距離は1600m程度で、合計3200~4800m程度になるようにします。

試合期では、レースのリハーサルをおこなうことが目的ですので、練習量を増やしすぎないようにしましょう!

メニューの注意事項

上記の練習メニューを実施するにあたっては、以下の点に注意してくださいね。

3〜4週間は、同じ強度の練習を続ける

なぜなら、それぞれの練習に身体が適応し始めるのには、最低でも1ヶ月程度かかるからです。

また、練習の量や質を急に増やしたりすると、疲労が溜まりやすく、怪我のリスクも増えます。

無理なく確実に成果を得るためには、3〜4週間は継続することで、徐々に身体を慣らしていくのがオススメです。

週間走行距離に応じたトレーニング量にする

先ほど紹介したメニューは、週間走行距離に応じたトレーニング量になっています。

より上のレベルを目指すためには、質を維持して量を増やすことが基本です。

つまり、設定タイムは維持しつつ、本数を増やし、jogの時間も増やしましょう。

質は自然と上がっていくようにメニューが構成されていますので、無理に上げる必要はありません。

トレーニングペースはVDOTを基準にする

それぞれのメニューのペース設定はVDOTを基にしたトレーニング強度になっています。

ただし、長い距離に慣れてない人は、まず以下の表を参考にしてみて下さい。

現在のタイムR(400m)I(1km)T(1km)M(1km)E(1km)
23:001004:314:545:166:00
22:00954:204:405:005:45
21:00904:074:304:465:30
20:00873:554:154:325:15
19:00843:454:054:205:00
18:00803:343:534:054:50
17:30773:283:453:584:45
17:00753:233:403:524:40
16:30733:173:343:464:30
16:00713:123:283:404:20
15:30683:053:213:314:10
15:00663:013:163:264:00
14:30632:553:103:193:50
14:00602:483:043:123:45

自分のVDOTを知りたい場合は、アプリ版がオススメです!

興味のある方は、以下のリンクから紹介記事を読んでみてくださいね。

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